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記憶をなくしても大丈夫な手帳システム
・目的
・今までと同じ行動をとる
・行動記録・マニュアルそして予定表
・自分マップの作成
・場の共有
・わかることがデメリット
※縮小画像のため大変見づらいかもしれません。
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記憶をなくしても大丈夫な手帳システム

・目的


今回取り上げたいテーマは単なる物忘れではなく,記憶喪失やアルツハイマーなどの病気による記憶障害などにあったばあいに今までと同じように行動を起こすことができるようにするために手帳はどんな役割を果たすことができるか考えてみました。


これを考えるきっかけをつくったのはです。


妻は精神的な病を患っていてそのせいで数年前は記憶障害を起こして過去に意識が戻ったり,あるいは全く違う人格に変わったりしました。


今はそういうことはないのですが(容体が安定したわけではなく,かなり意識することによって症状を抑えている状態です),この事によって記憶喪失などがドラマの話ではなく,身近な問題となっていました。



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・今までと同じ行動をとる


記憶を失くしたとき人はどんな行動をとるのでしょうか?


何をする気にもなれずに時が過ぎて自体が好転するのを待つ人もいるでしょう。


妻の場合は違いました。


幼いころの自分に戻っても,違う人格になってもいま生きている現実に則した生活をしようと努力しました。
まわりの人間(僕や母親など)に一生懸命自分はどんな人でどんな暮らしをしていたのかをこまかく訊き出してそしてその通りの行動をとろうとしました。


今やっているからとピアノ教室に予定どおり通ったり(さすがに一人で行かせるのは無理なので母親が付き添っていました)してなんとか今までと同じ行動をしようと頑張っていました。


そういう努力を見ていたせいか僕の中では記憶を失うと人はアイデンティティを取り戻すために今までと同じことをしようとするのだな,と感じました(それが正しいのかどうかはわかりませんが)。



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・行動記録・マニュアルそして予定表


どんなことが手帳に書かれていると記憶を失った人は今までと同じ行動をとることができるのでしょうか?


まず自分が今までどんなことを行なってきたのか把握することが必要だと思います。
そこで,過去の行動記録は大きな助けとなるはずです。


1日24時間(もしくは起床から就寝まで)の記録を大まかにでもいいですから書いておくとどういうパターンで行動していたのかということがわかると思います。
その際,曜日も忘れずに書いておくと1週間のパターンも把握できます。


それからマニュアル


仕事関係のルーティンな作業はもちろんですが,プライベートな情報も考慮に入れておくべきだと思います。
できれば,仕事・プライベートの人間関係がわかるようだと大変助かるはずです。


そこで細かい点までマニュアル化(もしくはマニュアルが置いてある場所のメモ)ができると記憶を失った不安感は少しは抑えられるのではないでしょうか(あくまで気休めですが)?
なによりも記憶を失くしたときのためのマニュアルがあるといいかもしれません。


そして予定表


これからどういう行動を取るつもりだったのかがわからないと対処のしようがありません。


もちろん記憶を失くしているという一大事です。すべて今まで通りというわけにはいかないでしょう。



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・自分マップの作成


いま現在の自分が何者なのか?どんなことをしてきたのか?
そういうことを行動記録や予定表からだけではなく,できる限りコンパクトにまとめられた自分自身への自己紹介みたいなものですね。


それをマインドマップという形にまとめ上げたらどうでしょうか?


マインドマップとはトニー・ブザン氏が開発した脳の思考法にそって記録するノート法です。


まずA4以上の白紙を用意します。横向きに書くのがすすめられています。
いろんな色のペンを準備しておくか,せめて四色ボールペンがあるとカラフルに色分けできてあとで見返しやすいです。


用紙の中央に自分の名前を書きます。
そこを中心に自分に関するいろいろな事(生年月日や職業,家族構成,夢など)を思いつくままに放射線状に書き続けていきます。
(詳しくはこちらのサイトをご覧ください。日本語で書かれているコンテンツです)


これを書いていると自分のことを客観的に書く事ができ,思っても見なかった発見があるかもしれません。


そのA4の用紙を『「超」整理手帳』やA5のシステム手帳ならそのまま挟み込む事ができます。


バイブルサイズの手帳の場合はいったんB5まで縮小コピーしてからバインドする必要があります。
B5用紙をシステム手帳に挟む方法は『システム手帳新入門!』(舘神龍彦・著/岩波アクティブ新書)に詳しく書いてあります。



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・場の共有


ただし,このマインドマップは書いた本人,もしくは書いているときにその場にいた人でなければ書いてある事がよくわからないという欠点があります。


記憶を失くすという事は,マインドマップを書いた時点の人とは別人ということなのでこのマップを見ても何の事だかわからないという恐れがあります。
ですから,もう少し誰が見てもわかるように整理する必要があるかもしれません。


図解(手書きでもパソコンを使っても)で整理する事もできますし,自己紹介表みたいな感じでまとめても良いですね。


とにかく誰が見てもわかるようにしておくと手帳を見たときに自分がどういう人間なのかを把握しやすくなると思います。



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・わかることがデメリット


誰が見てもわかる。・・・おかしな話をしていますね。


仕事上やプライベートで他人に見られては困る情報というものが当然あるはずです。
手帳とは本来自分以外の人は見ないという前提で書くものです。
そこでたいていの人は手帳にそういう情報は書かないか,なんらかの暗号を作った上で手帳に記入しているはずです。
ですから記号や略号のようなマークまで書く事ができます。


そのマークを覚えている人しか手帳を活用する事ができないようになっているものです。


記憶を失くすということはそういうマークまですっかり忘れているはずですから,そんなものが書かれていた日にはいっさい役には立ちません。


この『記憶をなくしても大丈夫な手帳システム』というのは諸刃の剣です。


本来なら他人に見せない手帳を『記憶を失くした自分』という赤の他人に見せるシステムなのです。


まだ『自分』という他人ならいいかもしれません。
ですが,ほんとうの赤の他人が見てしまうケースということだって想定しなければいけません。
・・・と,いうよりそのケースの方が『記憶を失くす』というケースよりも圧倒的に高い確率で起こるでしょう。


・・・ここまで考えました。結局このシステムは作るだけ無駄なシステムなのでしょうか?



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